これまで釣ったことがあるヤマトイワナはどれも美しく個性的だ。
だがまだ、派手な朱点が散りばめられた個体がいる沢は見つけられていなかった。
もう9月中旬で、禁漁までのタイムリミットも近い。
いろんな妄想と期待をしながら枝沢にはいる。
山で感じる匂いと空気感はいつも気持ちがいい。
体色は濃い目だが、どう見てもニッコウイワナと混じっている。
この沢も純血のヤマトイワナだけの楽園ではないようだ。
魚影もサイズもまずまず。
遡行難度も低い割に楽しめる沢だ。
多少のゴルジュエリアはあるが、水量と沢幅からして全く問題ない。
良い色が出てる。
ヒレの先まで鮮やかで美しい。
白斑と朱点がはっきり別れている。
空は明るくて、景観は素晴らしい。
しばらく進むと、トロ瀬で約28cm。
しかもこれは混じり気のないヤマト。
サイズも魚体も最高の1匹だが、もっと大きい朱点が所狭しと並んでいる1匹がどこかの沢にいるはず。
そんな1匹を見つけるのが年内の小さな目標になっていた。
とは言いつつ、日本海に注ぐ水でイワナを釣ったことがないこともあり、1日だけそれを追う釣りをした。
釣果はイマイチ。
大滝を高巻きして稜線を歩いたが、たどり着いた地点から上には魚はいなかった。
残りの渓流禁漁までは、濃い朱点だけを探していく。